花和尚 魯智深 ――憎めない破天荒坊主


★表の見方

宿星 天孤星 順位 13位
登場 3回 入山 58回
他の呼び名 魯達(俗名・3)
出身地 関西(7)
年齢
家柄 親族
義兄弟 林冲(7・魯智深が兄)・張青(17)
入山前 延安府の経略使・[チュウ(禾+中)]老相公配下の提轄(3・17)
→五台山で出家(4)、東京の大相国寺で菜園番(6)
→二竜山の頭目(17)
身長 8尺(3) 得物 ・身の丈ほどの棒(3)
・長さ5尺、重さ62斤の漆塗りの鉄の禅杖(5・7)
・戒刀(5)
容貌・風貌 ・生まれつき面は円く耳は大きく、鼻はまっすぐで口は四角(アゴが張っているのか?)、顎のあたりには一部のむじなひげ(3)
・腰の周囲は十かかえ(3)
・すごい目つきをしている(4・五台山首座曰)
・肥っている(5・9・17・27・57・61・66・119)
・凶猛な容貌(6・大相国寺の知客看)
・背中に花模様の刺青(17)
性格・人物像 ・短気な人(3・李忠曰)
・気性が荒らっぽい(3・渭州経略使曰)
・立居振舞もよろしくなく、顔つきも兇悪(4・五台山の首座曰)
・剛直(4)
・生一本のわる気のない男(57・李忠曰)
・せっかち(58・武松曰)
・お経も読まず懺悔もせず、人を殺すことがなによりも好き(77)
・気性がはげしい(119)
特技 ・武芸に優れる(3・57)
・柳の枝を根こそぎ引っこ抜くほどの怪力(7)
入山後の持場・職分 【持場】
前軍の寨(60)(相役:李応・徐寧・武松・楊志・馬麟・施恩)
→山の前の第二の関門(71)(相役:武松)
【職分】
歩兵軍の頭領(71)
 『水滸伝』随一の好漢、それが魯智深だろう。他にも痛快な好漢はいるが、魯智深は李逵ほどに殺伐としておらず、武松や張順より活発で行動力があり、林冲や楊志がもつ軍人らしい堅苦しさがなく、史進のように入山後に個性がみえなくなってしまうこともない。短気でそそっかしい上荒っぽいが、義侠心に富んだ好感のもてる人物に仕上がっている。
 ちなみに、魯智深は風景を鑑賞するのが好きなようだ。五台山の景物を賞玩し(4回)、東京へ行く途中に道中の風景にみとれ(5回)、六和寺では武松と外の様子に見入っている。あらくれ和尚にしては奇特な趣味だ。のちに魯智深は泰然と俗世を捨てる(119回)が、それは突然の変化ではなく、景物賞玩に見られるように、前々からわずかながら超俗の考えをもっていたのだろう。


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