黒旋風 李逵 ――天真爛漫なつむじ風


★表の見方
宿星 天殺星 順位 22位
登場 38回 入山 41回
他の呼び名 鉄牛(故郷ではこう呼ばれる・38)
出身地 沂州沂水県の百丈村(38)の董店東(43)
十年以上も(*郷里には)音沙汰もない(43)
年齢 ・張順より年長(38回、地の文に「張順と李逵は年の順からいえば李逵の方が年長」とある)
・朱仝より年少(52回、宋江が李逵に「年からいっても彼(*朱仝)のほうが兄貴」と言っている)
家柄 親族 おふくろ(42) 李達(兄・43)
義兄弟 湯隆(54)
入山前 人を殴り殺したために故郷を逃げ出してきた(38)
→江州の牢の小役人(38)
身長 得物 ・二梃の鋼づくりの板斧(42)
・腰刀(43)
・朴刀(43)
容貌・風貌 ・黒光りするような男(38)
・全身真っ黒で、目は紅い(38)
・黒ん坊の大男(38) 色の黒い大男(43)
・虎のようなすがたの、まっ黒な大男(40) 黒い虎のような体(61)
・人相がわるい(42)
・赤ひげ(43) ばさばさした赤毛(61) 赤ちゃけた髪(73)
・風采がごつい(61)
・すばしこい熊のような腰(61)
・声は雷のよう(67)
・怪眼…虎ひげ…(74) 虎鬚…怪眼(98)
性格・人物像 ・酒ぐせがわるいので、多くの人から煙たがられています(38・戴宗曰)
・人を殺し火を放ち行兇を恣にす(38・詩)
・がさつもので、礼儀も何も存じません(38・戴宗曰)
・まっすぐなやつではありますが、酒とばくちに目がありません(38・戴宗曰)
・腕はたつのですが、がさつな困りもの(38・戴宗曰)
・弱いものがいじめられているのを見るとだまておれない性分(38・戴宗曰)
・きれいなばくちをうつ(38)
・いかにも豪傑だ(38・宋江想)
・いかにも一途(38・宋江曰)
・刀も矢もまるでおそれない(40)
・気性は烈火のよう(42・宋江曰)
・短気者(42・宋江曰)
・小さいときから手におえぬひどいやつ(43・朱貴曰)
・人を殺すのに瞬きひとつせぬ魔王(43)
・いかにも粗野で、もののわきまえがありません(53・戴宗曰)
・剛直で、決して人をだますようなことはしません(53・戴宗曰)
・人にへつらうようなことはせず、あくまでも信義を守りとおします(53・戴宗曰)
・淫欲や邪心がなく、財をむさぼったり人を裏切ったりすることはせずに、事にあたっては敢然とまっさきに飛び出していきます(53・戴宗曰)
・尊卑のけじめのわからんやつ(60・呉用曰)
・勇猛(63)
・豪胆(63)
・がさつなやつですが、なかなか義には厚い男(67・呉用曰)
・気性が荒らっぽい(72・宋江曰)
・せっかち(73)
・あんたは気性が荒っぽい(110・燕青曰)
・梁山泊一の兇徒で、人殺しにはなれきった好漢(112)
・人を殺めることの好きな男(112)
・天地をも怕れざる男(115)
特技 ・二梃の板斧をつかいこなす(38)
・拳法も棒術もできる(38)
・水牛のような力(38)
・山道には慣れた男(51)
・二三百斤の荷をかつぎ、四五十人のものをやっつけることができる(72)
入山後の持場・職分 【持場】
山の正面(51)(相役:李俊)
→右軍の寨(60)(相役:呼延灼・朱仝・戴宗・穆弘・欧鵬・穆春)
→北のほうの関門(71)(相役:穆弘)
【職分】
歩兵軍の頭領(71)
 多くの好漢は、登場時に自己紹介し、あるいは他者に紹介される。李逵も戴宗に紹介される他者紹介の口だが、他の場合と形式が違う。他者紹介のときは、たいてい紹介されている本人がその場にいて紹介を受けるか、逆に本人がその場から遠く離れた場所にいて不在のときである。しかし李逵は、戴宗が宋江に紹介しようとするのに、あだ名の黒旋風よろしく、現れたかと思うとさっさとばくちに行ってしまい、自己紹介の機会を持ちながら戴宗にお任せしているのである。その後も、李逵の性格・容貌を語る文はたくさんあるが、李逵本人が語ったものはほとんどなく、だいたい戴宗か宋江が口にする。李逵は自己のことはほとんど語らない好漢なのである。喋るよりはまず行動、というところが李逵らしいと言えるかもしれない。


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