浪子 燕青 ――多才にして人格者、刺青の美青年


★表の見方
宿星 天巧星 順位 36位
登場 61回 入山 62回
他の呼び名 小乙(61)
出身地 北京(61)
年齢 25歳(李師師と会った時点で・81)
家柄 親族 小さいときに両親に死別(61) 親戚(詳細不明だがいるにはいる・62)
義兄弟
入山前 北京土着のもの(61) 盧俊義の家で育てられ、腹心となっている(61)
身長 6尺以上(61) 得物
  • 弩弓(62)
  • 腰刀(62)
  • 棍棒(70)
  • 弓(73)
  • 強弓(76)
  • 利剣(76)
  • 身の丈ほどの棍棒(76)
  • 弓(110)
  • 容貌・風貌
  • 三牙の口を掩う細髯(61)
  • 細い腰、肩幅が広い(61)
  • 体が雪か練絹のような白い肌なので、盧俊義は…彼の全身に刺青をほらせた…ほりものくらべをすれば、なにびとも彼にかなうものはなかった(61) まるでそれは玉亭の柱に美しい翡翠をはめこんだよう(74)
  • 紅い唇、漆を点じたような瞳、玉のような顔(61)
  • ほっそりした体(74) ひょろひょろした若造(74)
  • ぴちぴちした身体(74)
  • 性格・人物像
  • たいした利口もので、一を聞けば十をさとるといった具合(61)
  • 人に勝る英武、凌雲の志がある(61)
  • 資稟は聡明、儀表は天然に磊落(61・詞)
  • 英雄の領袖(61)
  • ものわかりのよい男(72)
  • なかなか頭のはたらきが機敏で、見識もひろく、みずからをよくわきまえていて、それらの点では他の(*天コウ星の)三十五人よりもすぐれていた(74)
  • おまえさんはまったく腕の立つ好漢さ(74・李逵曰)
  • なかなか粋な若もの(74)
  • 梁山泊の伊達男で、たくみに機密をとりさばく頭領(76)
  • 立派な男ぶりで、弁舌さわやか(81)
  • きわめて怜悧な男(81)
  • 好漢たる矜恃をもっている(81)
  • 心は鉄石のごとく、まことにあっぱれな男子(81)
  • ひとかどの人物(81・天子看)
  • 各地のなまりをよく知っておりますし、それに臨機応変にやります(114・柴進曰)
  • いうことに品があり、学問があり礼をわきまえている(116)
  • 進退存亡の機をわきまえている(119)
  • 特技
  • 音曲も歌舞も、また拆白道字(しゃれ言葉)や頂真続麻(しりとり)なども、なんでもできないものはない(61)
  • 各地の方言も話せればいろんな商売人たちの隠語も知っていた(61)
  • 武芸の腕もなみなみではなく、一張の川弩(四川の弓)のただ三本の短箭を持って城外へ猟に行くのであるが、決して無駄矢を放つことはなく、必ず獲物を落とした(61)
  • 弓くらべとなると、その賞品はすべて彼の手に落ちた(61)
  • 棍棒は参差として、拳をうち脚を飛ばし、四百の軍州到る処驚く(61・詞)
  • 棒術を習いおぼえている(61)
  • 燕青の弩弓たるや、まさに百発百中(62)
  • 相撲にかけては天下第一の腕前(73) 小さいときから盧員外どのにつき従って相撲を習いおぼえた(74) 小乙は、小さいときから十分、相撲を身につけております(74・盧俊義曰)
  • 燕青は…のどをひらいてうたい出したが、まことにそれは、声清しく韻は美しく、歌詞は正しく腔にもくるいはなかった(81)
  • 弓の手ほどきをうけて空の雁を射ってみましたところ、矢は一発もはずれずに…(110)
  • 入山後の持場・職分 【持場】
    正殿の第二段の右のならびの棟(71)(相役:戴宗・張清・安道全・皇甫端)
    【職分】
    歩兵軍の頭領(71)
     燕青は先見の明がある。鋭く将来を見通すことができる人物だ。81回、梁山泊招安の工作のため、燕青と戴宗が東京に派遣される。そのとき燕青は徽宗に会い、親筆の赦し書きを書かせている。そして時は下って方臘討伐後の119回、燕青はその赦し書きを持って梁山泊軍団から去る。つまり梁山泊が朝廷の招安を受け、これから輝かしい戦歴を刻もうという前から、燕青はすでに、身を引き隠棲することを考えていたのである。
     燕青は盧俊義とともに隠棲するつもりであったが、盧俊義はとりあってもくれない(119回)。盧俊義への最後の忠義を拒まれた燕青は、方臘との最終決戦(119回)のどさくさにまぎれて持ち出した二荷の財宝をひとつにまとめてどこへともなく去った(119回)。一方の盧俊義は、官職を得たが朝廷の奸臣たちの手にかかって謀殺された(120回)。
     燕青は、梁山泊の転機には頻繁に登場する好漢である。招安工作(81回)もそうであるし、雁を射落として方臘討伐で好漢が次々に死んでいくことを暗示する役割も果たしている(110回)し、盧俊義と袂を分かつ(119回)のも、宋江や盧俊義の報われない末路を暗示するかのようである。おそらく、水滸伝の筆者のお気に入りの好漢で、重要な場面を任されたのが、この燕青なのだろう。


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