神機軍師 朱武 ――梁山泊一番の陣形通


★表の見方
宿星 地魁星 順位 37位
登場 2回 入山 59回
他の呼び名
出身地 定遠県(2・59)
年齢
家柄 親族
義兄弟
入山前 少華山の第一の頭領(2)
身長 得物 ・両刀(2)
・腰刀(2)
・朴刀(2)
容貌・風貌 ・赤みがかった白い顔(2)
・切れ長の眼(2)
・細い髯を垂らしている(2)
性格・人物像
特技 ・兵法に精しく、謀略にたけていた(2)
・諸葛孔明くらい陣形に詳しく、范蠡に勝る智謀を持つ(2・詩)
・生まれつき智謀にすぐれている(59)
・両刀の使い手(2・59)
入山後の持場・職分 【持場】
山の裏手の右のほうの陸寨(60)(相役:陳達・楊春)
→正殿の第二段の左のならびの棟(71)(相役:黄信・孫立・蕭譲・裴宣)
【職分】
軍師とともに軍事を参謀する頭領(71)
 梁山泊一の陣形通の朱武。同じ軍師でも、呉用は陣形の方さっぱりなようで、遼との戦い(87回)の際の兀顔延寿との陣形合戦では、呉用は後ろで様子を見ているだけで、朱武が陣形を見破り、説明をしている。だが、朱武の陣形の知識が味方の勝利に一役買うかというとそうでもないようである。
 『水滸伝』に描かれる陣形には、実用性より象徴性が優先されたものが多い。梁山泊がよく使う九宮八卦の陣や、遼の太乙混天象の陣などはそうで、八卦や天象にかたどった、いかにも整然とした陣である。陣形変更の旗が振られるや、秩序だった陣が混沌となり、いつの間にか別の秩序が生まれている。陣形というものは、戦争に必要なものであると同時に、芸術的な面も持っていると言ってよさそうだ。そうすると、陣形合戦を得意とする朱武は一種の芸術家といえるかもしれない。もちろん、陣形を巧みに変えられるのは命令が行き届いているためなのだから、軍師としても有能であったには違いない。


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