正月表紙絵作画過程&ぼやき



作画中のメモです。
自分用に残すメモなので、読む方に非常に不親切な書き方になっています。


■所要時間(だいたい)
構想(あれこれ悩む時間):2時間
下書き:2時間
ペン入れ:1.5時間
着色:16時間
主線入れ:0.5時間

■画材
シグノ超極細黒(0.28mm)
ポスターカラー
筆はイタチ毛の細筆一本



雑誌の投稿絵を見て大いに触発され、「いっちょやってみるか」と、久しぶりに――なんと一年ぶりか――FOの表紙絵を描こうと決意。

「とにかく何か描こう」というのはよくないらしく、鶏を入れようとだけ思ってラフな下書きをしてみたが、これだ!という手ごたえの有る下絵がなかなか描けない。2時間ほど描いては消してを繰り返した後、やはり題材がなきゃだめだと思い至り(遅い…)、今回は水滸伝の柴進をモデルに据える事にする。柴進と言えば高貴な男。鶏(チャボですが)の派手さも似合いそうだ。

やはり、モデルがいると構想が形を持ちやすい。数回描き直して下書き完成。柴進を描き終えたあとは、チャボを肩に乗せる。チャボの参考は北斎の絵事典。便利だこれ…白黒だけど(苦笑)。尾羽をかなり誇張する。さらに、テーブルの上が寂しいので筆立てを入れてみる。ここまで下書きした時点でひとまずペン入れ。
で、さらに竹簡・椅子を下書き・ペン入れ。椅子の参考は正子公也さんの絵巻水滸伝。竹簡は一点透視(←覚えたての単語/笑)で定規当ててちゃんと描いた。…て、これは当然ですかね…(汗)。


着色。
いつもどおりに真っ先に肌を塗ったのだが…筆に水を含みすぎて、よりによって顔に紙のしわが…(絶句)!! どうしようどうしようと思って、適度に乾いた頃に裏返して、裏から爪の腹でこすって、さらにもう少し乾いたら表からも爪の腹で押して、なんとか修正に成功。し、信じがたいアクシデントだった…(汗)。
最初の留意点は服の色。首周りと袖を強く濃い色に、その他の部分を彩度を下げた上に薄い色にして、濃淡のメリハリをつけてみる。
椅子は…疲れた(笑)。ここも、枠部分を濃くしてメリハリ。枠ではない部分(薄い茶色の部分)も、人物との境界になるところはもっと濃くしてもよかったな…人物と椅子の区別をはっきりさせるために。色味が違うし、後で主線を入れなおすからいいか、と思いちょっと妥協。
チャボは悪戦苦闘してこんな感じ。チャボの色が分からずに、ネットでチャボの写真を探したな…(笑) 探したくせにいろいろ間違っているのが救えない…。とりあえず、明るい部分には白を混ぜ込んだ明るい色をサッと入れてみた。意外にそれっぽくなったな…意外に。
机には苦戦。まず、どんな色にすべきか、そしてどのように塗るか。色はとりあえずやはり茶系にしてシンプルにすることに決めた。机の塗りは…下手をするとベタ塗りにしがちで単調になりやすい。他の部分で立体的に色をつけてるのに、ここだけベタ塗りだと、ものすごい違和感が生まれる気がする。だから、それだけは避けようと思い、明るい部分と暗い部分を作って塗った。3つの類似色をいろいろ紙の上で混ぜたりして。…とりあえず、他の部分とつりあいが取れる塗りにはなった…かな。2時間悩んだ甲斐があったか。
その後、チャボの尾羽にとりかかったが(塗る順番が滅茶苦茶です/笑)、一向にそれらしくなりませんでした…あの特有の光り方をどう表現すればいいか、その手法が全く思い浮かばなかった。ここは失敗かなあ。

全体的に、もうちょっと色をまとめたかったが、多少散ったかな…。人物を目立たせるため、人物だけ青系の彩度の高い色を使った。まとまりは…まあまあか。背景はまた描けなかった…背景描きが下手だから、手を入れるのが恐くなってしまって…。でも、塗りが濃いから背景が白であっさりしてるのも悪くないかな…って、これは言い訳かな(苦笑)。

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