苗賁皇


亡命者の幽懐

<2009年12月>

春秋時代・晋から、苗賁皇。
生国の楚で父の子越が粛清された際に、楚のライバルである晋に亡命して来た。
亡命時の年齢は未詳ですが、かなり若い(むしろ幼い?)時期のようです。
春秋の人は、生年が分かる人ってごく稀ですよね…。

彼は晋楚の三度目の大会戦であるエン陵の戦いで、
楚の内情に明るい(らしい)ことを生かして、
晋を勝利に導く策を立てている。

前も書いたことがありますが、母国であり父の仇ともいえる
楚と戦う心情はどんなものだったのでしょうか…。
そんなことを考えつつ描いてみました。
背景は、上海博物館の青銅器の図録を参考にしました。
静かな面持ちの裏にある複雑な情を、背後の龍の紋で表してみたつもり…です。




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