カットの作画過程…というか、カラー絵の着色までの過程を中心にメモ。塗りは、いつものようにペタペタゴリゴリひたすら塗るだけなので、今回は塗りに入る前の状況をぼやきます。 …これだけ描き込むのは初めてなので、どう進めたのか自分でも記録しておきたいのです。 |
1.ラフ画 大判の絵を描くときはラフから入ることが多いです。 (ハガキ大はラフなしでいきなり下書きに入ります) 思ったものをがさがさっと。 …いらなくなった紙の裏を使用してます(笑)。 「号令を下す宰相」がモチーフ。 イメージしたのは陸抗(陸遜の子)ですがたいして再現できてません(笑)。それに陸抗は大司馬にはなりましたが宰相(丞相)になってないしね…(確か)! …それはさておき、(複雑な事情の後、偉大な父の跡を継いだ)覚悟と意気込みのあるキャラクターにしたいと思います。 今回は背景の建物を超真剣に描くことにします。建物をいれると、その直線が効果線の役割を持って、迫力を出すこともできるので。気合入れていく予定です。 ラフの段階では大まかな構図しか決めません。衣装や建物は、下書きの段階で細かく決めていきます。 |
2.下書き まずは人物のみを下書きします。 背景の下書きは、人物のペン入れの後にやります。 一気に背景まで下書きすると、どれがどの線か見分けがつかなくなってしまうので、まずは手前の人物を完成させます。 頭の空間処理能力があまりないので、少しずつ描き進めるのが私のやり方です。 ラフとは少しポーズを変えました。左手をちょっと控えめに。 右手も、ラフの段階では剣を持たせようと思ってたのですが、徒手空拳にしました…右手部分は、別冊掲載だと隠れてしまうので、隠れる部分に気合を入れても…と思って。 衣装のデザインを試行錯誤しつつ、描いては消して進めていきます。 |
3.ペン入れ 人物のペン入れをまず終わらせます。人物の使用画材はシグノ超極細(0.28mm)黒。このシリーズは水ににじまないので非常に重宝してます。 背景は、コピックマルチライナーのブラウン。薄めの線で描きます。 薄い色を選んだのは、塗りの際にこのラインを消しながら塗るからです。主線がはっきりしていると押し出しが強くなってしまうので、背景の主線をこうやって消して、背景の押し出しを抑制するのが目的です。建物の存在感を抑えないと、人物が埋没してしまいそうなので…。 頭の画像処理機能が(以下略)なので、少しずつ線を入れていきます。建物の資料は横浜中華街の関帝廟です…写真が結構ありました(笑)。関帝廟の装飾はおそろしく豪華でとてもそのままに再現できそうになかったので、けっこう省略して…。 書き進めるのは少しずつですが、建物の完成図は常に頭に描いておきます。別の紙に建物の形を描いて確認しながら、線を入れます。 線の間の長さを測りながら、平行な線を次々に入れていきます。線と線の間にごちゃごちゃ書いてあるのは、線の間隔のメモです。 奥から手前に伸びてくる直線は透視法(?)とかいうやつで(←専門用語よく分からずに使ってすみません…)。 |
4.ペン入れ完了 ペン入れの全てが終わりました! ゴムかけまで終わってます。持てる力を出し切りました。 宰相がいる建物としてはちょっとシンプルな建物に仕上がってしまいましたが、頑張れました。 建物としてはいくぶん妙な部分も見えますが(苦笑)、デッサンの狂い…というか、おかしなところは最低限に抑えられたかと思います…。 |
5.完成(早っ) …でも着色に10日近くかかってます(笑)。塗った順は、だいたい人物→背景。留意点は、 ・背景の色をまとめる(彩度を低く) でも光の当たる部分の彩度は高め ・背景の主線を消す(不透明にしたポスターカラーで) ・人物は基本的に彩度高めの色で着色 ・人物に極力赤は使わない。背景が赤メインなので、背景に埋もれないように対策。人物は茶と緑でまとめ(茶と緑大好き) ・背景は濃い目の色を使うので、人物には薄めの色を多く選択(上衣と冠の布の白、腰巻(?)の淡い緑)。これも、人物が背景に埋もれないための対策 ・でも微妙に人物が埋もれたので、部分的に人物の周囲を白でふちどり(…) 書き込みはうざくならない程度に。主に黄色でしか描きこみはしてないです。 死力は尽くせました。 |