初めての硬座




時刻は朝4時前
まっくらの大同駅


■今日は大同から北京へ
中国6日目。今日は早朝大同を離れ、列車に乗って北京へ向かいますー。
朝3時半に起床し、当然朝ごはんも食べず、ホテルのフロントに行ってチェックアウト。
超寝起きのホテルマンさんありがとうございました…。

ホテル前で、昨日お世話になったタク運転手の馬さんと4時半に待ち合わせの予定だったのですが、またもそれより前に馬さんがホテルまで来てくださって、すぐに大同駅まで乗せて行ってくれました…もう本当にありがたや…(>_<)! まだ真っ暗の早朝なのに…!
昼間は渋滞気味の大同の道路も、さすがにこの時間はスカスカ。すぐに駅に着きました。馬さん本当にお世話になりました!


4時前には大同駅に到着。列車が到着するまでは、候車室(待合室)で待ちます。



※以下、このページはぼやきとツッコミ一色となります…予めご了承くだされ……。。。。。
 も、もう本当に…この間は「五感がなくなればいかに楽だろうに…」と思ってしまうような…(吐血)。
 その自分の心境の殺風景さ同様の殺風景ページです…。











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■大同駅の候車室

………う゛…;;

なんか、候車室の臭いが…こう、生ごみっぽいというか、えもいわれぬ鈍い重い臭いがたちこめていて、ここにいることだけでもけっこうキツイ感じで…; かのやさんにマスクをもらって、ずっとつけてました…これでやや具合悪さが軽減されました。
しかし、これが普通なのでしょうかのう…候車室には、列車待ちの人がだいぶいらっしゃいましたが、みなさん普通な感じで…。

候車室には、熱湯が出る蛇口が備え付けてあって、そこでカップラーメンにお湯を入れて食べてる人もちらほら…というか、それがまた臭いを助長している気もする…; 自分はとてもじゃないけどここで食事は無理ぽいっす…。
中国は、待合室でも列車の中でもお湯が出るようになってて、カップラーメン事情はおそろしく良いのですよね…。電車でカップラーメンって…うーん;;;

ここでは何をする気も起きないので、ただ列車の到着を待つばかり。しかし、到着が遅れているようで、予定時刻を数十分回った頃に、押し合いへしあいしながら列車に乗り込みました。大同は途中駅なので、さっさと乗らないと発車してしまいそう…;

私たちが乗った列車は、銀川という内陸が始発の、北京西駅行きのもの。
列車の座席は大きく分けて三種類あって、「軟座」が一番いいもので、グリーン車的な席。「硬座」が普通の席「無座」は、まんま座席無しってことで、立ち乗車。自分たちが乗ったのは、既に触れている通り硬座です。
この日こんなに早い列車に乗らざるを得なかったのは、それ以降の時間の列車には「無座」しか残ってなかったからなのです…。大同から北京までは5時間半ほどかかるので、無座だけはやはり避けたいのです…。

バタバタしながら乗り込んだものの、車中の光景にまた絶句してしまいますた…。。。


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■初めての硬座
通路には何やら白い破片状のものがそこらに散らばってます。ひまわりとかの種の殻ですね分かります。ちうごくの景色を見てると、とうもろこし畑の合間にひまわり畑もあったのですが…休耕目的も兼ねてると思うのですが、そのひまわりは観賞用ではなくて食用なのでしょうな…。

やっとのことで、切符に書いてある番号の座席に行くと…見知らぬ人が座っとるがな!!
…予め「空席があればみんな座っちゃうから、もし誰か座ってたらどかすように…」と同行のお二人からは聞いてはいましたが…。切符の座席番号を見せながら、自分の席に座ってたおばさんにどいてもらいました…。座席には何やら食べカスのようなものがぽろぽろ落ちてたんですが…そんなもの構っておられず、とりあえず座ります…。

自分は三人掛けの席の真ん中で、右に蛙さん、通路を挟んでさらに右にかのやさん。自分の左はおばあちゃんだったんですが…こっちにだいぶはみ出して座ってらっさって…その、もうちょっと左に寄ってくらさい…;<いろんな意味で言えない

で、自分の席の向かいには、一番左に普通のおっさん、真ん中の自分の真向かいに、これから話に出すであろうおっさん、右に二十歳になるかどうかくらいの女の子が座ってました。

一番左のおっさんは、途中で下車してしまったこともあってごく普通な感じでしたが…真ん中のおっさんと右側の女の子が凄かったのです;;;


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乗車してしばらくした頃だったか、その正面のおっさんが小さな白いビニール袋から鳥の足を取りだして食べ始めました。鳥の足は…ホントに足の部分、足首(?)から先の指の部分。日本ではまず食べ物としてお目にかかったこともなかったので、おっさんがそれを取りだしたことにもびっくりしたし、それを少しずつ食い始めたのにもびっくりしました。旅先の供なのですかのう…かのやさんの前に座ってたカップルの彼女の方もこれを食べてたな…(<あまりに鬱陶しいイチャつき具合だったのでついつい観察していた)。

このあたりは食文化の違いかな…と思いながら見てたのですが、食べ終わった鳥の足の小骨を目の前のテーブルにバラバラっと放り出したのにはマジでびっくりしました。ちょ…ゴミ袋に入れたりとか、下に何か敷いてその上にとかじゃなくて、テーブルにダイレクトかよっ!!

…そしておっさんは鳥足を食べ終わると、またおもむろに袋から次の鳥足を取りだし(<ダジャレじゃないですよ)、ゆっくりとしゃぶると、足の指の小骨をテーブルの上に次から次へと放り出すのでした…。。。こちらの食欲は反比例だよ…もう車内では、持参ののどあめ以外食べたくなかったですわ…朝ごはんは抜きでも構わん…むしろ食べたらえらいことになりそうだ……。

おっさんは、4,5本食べ終わった後、ようやく鳥足入りの袋を片付け始めたので、ようやく一安心…かと思いきや、おっさんはテーブルの上の小骨たちを手にすくい取ったかと見るや、通路にぶん投げたーー!!?
そこはゴミ箱じゃなくて通路だろ!! しかも無座の人だって通路にはいるっつーのに…!(幸いそこに人はいなかったが) 右のねーちゃんも、空いたペットボトルを通路にゴロッて…;;;

…すると、モップを持ったお掃除の人が、通路をモップでふきふきしながら、通路に投げ捨てられた種の残骸や小骨たちをモップでさらって行きました…。…ああ、お掃除の人が通路に来たから、通路にゴミを捨てたんですね…って、それでいいのかよっ!?

その後、おっさんの方は別の袋から別の味付けの鳥足を出して食べては、テーブルに小骨の山を作っていた気がします(うろ覚え)。右の嬢ちゃんは、別のペットボトルを取り出して飲んでましたが、それを飲み終えると、ひまわりの種らしきものを取り出して延々と食べてました…で、殻を空いたペットボトルに入れてました。ペットボトルの半分以上が殻で埋まるくらいにずっと食べてましたね…で、満足するまで食べ終わると、キャップを閉めて通路にゴロリ、でした(…)。ええぇ…!? 殻を通路にダイレクトに捨てない点では殊勝なもんだと思ってましたが、それじゃ五十歩百歩ではあるまいか…。。。


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…通路といえば、車内販売も通ってましたね…。しかも、10分から15分置きの頻度で通る…そんなにニーズもなさそうなのに、頻度高くないっすか…; 2日目に乗った北京―太原間では2,3度しか通らなかったのになぁ、車内販売…。
私のキャリーが荷物棚にも入らないし座席の下にも入らなかったので、通路側の席のかのやさんが通路にはみだす形でホールドしててくださってたのですが、車内販売が通るたびにマイキャリーをご自分の座席に入れたり出したりさせてしまって、本当に申し訳なく…。。。

しかし、途中で乗務員が通りかかると、マイキャリーは目の前のおっさんたちが掛けている席の真下にズガーンとぶっこまれました。これでかのやさんにご迷惑がかからなくなった点ではほっとしましたが…きっとマイキャリーは、小骨とか種の殻とか食べカスに塗れているんだろうな…と思うとちょっと涙目になりました(実際はそんなに汚れてなかったので一安心でしたが;)。


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途中の駅で、向かいの三人掛けの座席の一番左に座ってた普通のおっさんが下車。目の前のあのおっさんがそっちに移ります(この時だいぶほっとしたわぁ…;)。すると、右のねーちゃんが、真ん中の空いた席を枕に、横になった…!?
無座の人が通路に溢れているというのに、2座席占有してごろ寝とはたいした度胸です…度胸というか何というか…;; いや、硬座の人は無座の人より高いお金を払って乗ってるんだから、そもそも無座の人が席に座ること自体どうなのだろうか…でも2座席占有もどうなんだ…も、もう分からん。きっと、暗黙のちうごくルールが存在するのだろう…。
そのねーちゃんは、さっきまで自分の正面に座ってたおっさんと何やら言葉を交わしてましたが(自分にはヒアリング不可)、結局ねーちゃんはしばらくそのまま横になってました。確かに、長い時間乗車して疲れてるんでしょうけど…うーん;

しばらくすると、さっき降りたおっさんの席に座る別のおっさんがやってきて、お嬢ちゃんを起こして、真ん中の席に座りました。
さっきまで自分の正面に座ってたおっさんと少し話をしてましたが、だんだんノッてきたみたいで、知り合いかと思うようなトークを始めました。ちうごくの方って、初めての人とでも知り合いみたいに話せるのが凄いですよな…これ以前にも見かけましたけど…。

…しかし、隣の人と話す時だろうが、携帯電話で話す時だろうが、たいがいフルボリュームなのはどうにかならんのですか(笑)。車内で大声とか携帯とか、そういうことが迷惑だという意識自体がない感じ。車内の喧騒ぶりは本当に凄かったです…。


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…とまぁ、この日の列車内の凄まじさが分かっていただけたでしょうか…。。。
最初は興味本位で目の前のおっさんの凄絶ぶりなんかも見てたのですが、1時間も2時間も見てるとさすがに「もういいです;」って感じになってくるし、「そりゃないだろ!」な斬新な光景が次から次へと繰り広げられると、精神的にも疲労してきてしまいまして…。途中からはもう、早く北京に着いてくれ〜〜;;と思うばかりでございました。目を開けてると、次にどんな「斬新」な光景が入ってくるか分からないので、寝て行こう…と思うものの、あの喧騒の中では熟睡できる訳もなく、目を覚ますたびに腕時計を見てました。もう30分くらい経っただろ…と思って時計を見ると、まだ5分しか経ってなかったりして…。。。
この旅行の中で最も長い時間に感じたのが、この硬座での5時間半でした。実際長い時間ではありますが、苦痛の時間でもあったので尚更長く感じました…;;

中国に来て1日2日のうちは本当に慣れなかったものの、それ以降は「中国だし…」でいろいろと割り切れるようにはなってきてたのです。でも、この硬座はそれでも割り切れないくらいに「斬新」なことが多かったです;;


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■北京西駅到着
解 放 さ れ た …!!!
という安堵感とともに、昼前に北京西駅に到着。しかし、北京西駅からはタクを拾ってホテルに移動しないといけません。
中国初日、北京西駅で拾ったタクがあまりにヒドイものだったので、ここでタクを拾うのにはトラウマがあったのですが、よく見るとちゃんとタク乗り場があるではないですか…。なので、タク乗り場の方に移動します。こっちにはちゃんと正規のタクが来るみたいですので。

かーなーりの長蛇の列ができてましたが、次から次へとタクが入ってきて、それなりに列が前進してます。客をタクに割り振る担当のおっさんが、なんかすごい剣幕で乗客をまくしたてていて(笑)、客が小走りでタクに向かってたり…。何をそんなにキレてるんですかという勢いでキレてたなぁ…このおっさん。運動部の鬼監督を連想していただくと近い気がします。しかし、このおっさんのおかげで、スムーズにいってるのは確かだと思う…

五輪を経験した北京ですが、今でも列へ割り込む人って後を絶たないんですね…北京の人じゃないのかもですが。自分たちの前にも3人ほど割り込んできました。人の目を盗むでもなく、堂々と空間を狙って入り込んでくるあたり、度胸があるというか何というか…。ロープがあろうとするりとくぐって割り込んできました。割りこめるスペースを待ちかまえて、駅の人から後ろに並べと言われてる雰囲気の人もいたような。
うーん、街中では気を緩めることができません…。

数十分並んで、おっさんにキレられつつ(笑)タクに乗り込み、本日宿泊予定のホテルに到着。すごーく素敵なホテルでした(>_<)。




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