同楽院燕青博魚


★主な登場人物★
☆燕青:主人公にして結構お騒がせな男。25歳。小説の水滸伝の燕青とはまるで別人。
☆燕大:[ベン(さんずいに卞)]梁の人。弟は燕二。妻は王臘梅。燕青と義兄弟となる。35歳。
☆燕二:燕大の弟。嫂の王臘梅とうまが合わずに家出、のち梁山泊に上る。燕青の恩人にして義兄。
☆王臘梅:燕大の妻。楊衙内と不倫している。
☆楊衙内:土地で幅を利かせている男。短気っぽい。
☆宋江:梁山泊の首領。燕青が期限を破って帰ってくると激怒する。
☆呉学究:宋江と一緒に登場。怒る宋江をなだめる役。



★楔子★  正末:燕青
 一ヶ月間の約束で下山していた燕青は、うっかり遊びすぎて、十日も過ぎてようやく山に帰ってくる。宋江は怒り、日限を三日破ったら死刑と決まっているのだから燕青を殺せという。呉学究らがなんとかその場をとりなしたので、燕青は死刑をまぬがれ、罰棒をくらうことになった。しかしそのせいで燕青は目が見えなくなってしまう。さすがに宋江も憐れに思って、燕青を下山させて良医を探させることにする。

★第一折★  正末:燕青
 燕青のことはしばらく置き、燕大という男がいた。弟の燕二、後妻の王臘梅といっしょに暮らしている。ある日、燕大の前で燕二と王臘梅が口論になり、燕二は家を出て行ってしまう。燕大は妻の機嫌を直そうと、翌日の清明節に同楽院というところまで酒を飲みに行こうと誘う。
 ところが王臘梅は土地の権勢家の楊衙内とできており、二人でひそかにしめしあわせて、燕大を差し置いて同楽院で酒を飲むことにする。
 さて燕青の話に戻ると、彼は下山したはいいものの金がなくなり、大雪の中、宿を追い出されてしまう。困っているところに楊衙内とぶつかり、怒った彼に殴られる。盲目の燕青が「あまりにひどいじゃないか」と掴んだのは楊衙内ではなく燕二であった。燕二は、燕青をぶったのは楊衙内だと教え、また燕青が目が見えないと言うので、針治療の腕前をふるって燕青の目を治療してやる。これをきっかけに二人は義兄弟となり、燕二は燕青の紹介で梁山泊にのぼることにした。

★第二折★  正末:燕青
 清明節の日、燕大と王臘梅は同楽院で酒を飲んでいた。王臘梅が酒の肴が欲しいと言うので(こうして燕大をどこかへ行かせ、楊衙内と会うつもりだったのだろうか)、燕大がでかけようとすると、燕青が賭けで魚を売っている(山に帰る元手をかせぐためか)。燕大が賭けるとみごと燕大が勝つ(「博魚」のルールがよく分からないが、とにかく、売り手が負けたら魚をただで売ることになっているようだ)。元手がこの魚しかなく、困った燕青が、あとで魚は渡すから今は預けてくれと頼むので、燕大は燕青の望みどおりにしてやる。
 喜び勇んで燕青が出て行くと、またもや楊衙内とはちあわせ、商売道具を滅茶苦茶にされる。この男の名が楊衙内――つまり、大雪の日、盲目だった燕青を殴ったあの男――であることを知り、燕青は激怒して楊衙内を張り倒す。
 ほうほうのていで逃げていく楊衙内を尻目に、燕青の見事な手並みを見た燕大は燕青と義兄弟となり、燕大の好意で燕青は燕大のところに邪魔になることになった。こうして楊衙内と王臘梅の計画も失敗に終わった。

★第三折★  正末:燕青
 清明節から約半年後の中秋の日、王臘梅はふたたび楊衙内と酒を飲もうと計画し、燕大と燕青に酒を飲ませて泥酔させた後、自宅の庭に楊衙内を引き込む。ところが、酔い覚ましに外に出ていた燕青に目撃される。
 燕青はひそかに燕大にこのことを知らせ、庭に乗り込むが、楊衙内は逃げ去った後だった。燕大と燕青が王臘梅を成敗しようとしていると、楊衙内は手下を引き連れて現れ、人殺しだ!と言って燕大・燕青をひっとらえて牢屋に送り込んでしまう。

★第四折★  正末:燕青
 牢屋送りにされた二人だったが、なんと脱獄に成功し、楊衙内の追っ手から一生懸命逃れようとしていた。その途中、梁山泊の頭領になり、宋江の許可をもらって下山していた燕二にばったり出くわす。燕二・燕大は突然の邂逅に驚く。そこに楊衙内と王臘梅が追いかけてくるが、みなで協力して二人を捕らえる。燕青・燕大・燕二は楊衙内・王臘梅の淫婦姦夫を引っ張って梁山泊に帰還し、ふたりを成敗して一件落着となった。


*補:
・燕青は第15位の頭領。25歳。あだ名は浪子。



*第二折。題名にもなっている「博魚」(魚を使った博打?)のルールがさっぱり分かりませんでした。燕青と燕大の様子から、燕青が負けて燕大が勝ったことだけは分かりましたが。



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